マイルミチ

旅と食事とそのキロク。

(香川:高松)イタリア料理店 両忘(りょうぼう)

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商店街から少し外れた通りに現れる素敵なファサード。こちらが今回訪問する「両忘」です。店名の「両忘」とは、禅の言葉で「善と悪」「高い低い」など相反するような二つの意見を一旦忘れて、一度ゼロから考える事を表しているとのこと。中川シェフの料理に対する姿勢が伺い知れる店名ですよね。

 

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 店内は提供される料理同様にシンプルで素敵な雰囲気。テーブルクロスも無く、リラックスした雰囲気で料理に集中することが出来ました。

 

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(夏のトリュフのクロスティーニ)

一品目は、大量のトリュフが香ばしい、クロスティーニ(パン料理)です。トリュフの下にはこんなに大量に食べるのは、、、と罪悪感を感じる大量のフランス産発酵バター。バターの旨味とトリュフの香り。これからのコースに期待の高まるスタートです。

 

そして、後に思うのですが、とにかくシンプルな料理が続くコースなので、或る意味一番「重たかった」のが、この一品目のクロスティーニだったかもしれません。(クロスティーニが重いのではなく、他がそれほど軽く感じたということ)

 

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(生ハム 揚げパン)

揚げパンに24か月熟成の生ハムです。ふわふわの揚げパンを超薄切りの生ハムの旨味で。一口食べると溶けていく素晴らしい軽さ。

 

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(カマス 舞茸のスープ)

完全に「和」の一品。舞茸の香りが詰まったスープとカマス。ほっこりする味。

 

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(鰆の炭火焼)

皮はパリパリ、中はしっとり、という常套句がそのまま表れたような、絶妙な火入れの鰆。合わせるのは高知産のミョウガ。これまた素材の旨味を堪能する一品に、すっかり和食を食べている気持ちに。

 

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(原木椎茸 三豊ナス 梅山豚)

焼いただけの椎茸とナスに塩を振った、これ以上ないシンプルな料理。ただどちらも素晴らしい素材と絶妙な火入れでめちゃくちゃ美味しい。また、梅山豚の自家製チャーシューも旨味が凝縮されており、塩気と共に良い付け合わせに。これまたシンプルの極みの一品に、引き続き、「和」のコースを食べているという印象。

 

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ここで、パンとオリーブオイル。おお、そうだ。ここはイタリア料理店だったんだと思い出した瞬間です。

 

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(フランスビュルゴー家のシャラン鴨)

まず、この一品、ものすごい旨味が凝縮されており、一口食べれば、間違いなく幸せになる味でした。付け合わせも何もないメインの鴨肉のみの提供という潔さながら、絶妙な火入れ、そして流石のビュルゴー家のシャラン鴨、とんでもないポテンシャルです。こんなに美味しい鴨なら、メインはいつも鴨で良いと思えました。

 

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(自家製パスタ)

牛と鹿のラグーソースの自家製手打ち麺パスタにトリュフをたっぷり。牛と鹿の旨味がしっかり感じながら、モチモチ自家製手打ち麺に絡まて食べると、ペロリでした。

 

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(チーズケーキ)

事前予約でテイクアウト販売もしているチーズケーキ。訪問前から楽しみにしていましたが、このレア気味のチーズケーキ、トロトロでチーズの味が濃く、しかも上から振られた塩とも絶妙に有っており、お代わりしたかった、、、。お皿が生ハムの時と同じなのは、ご愛敬かな。

 

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シンプルを追求した「和」を感じるコースだったので(?)、食後のドリンクに思わず「ほうじ茶」を頼んでしまいました。ほっこり。

 

「両忘」のコースは、想像していたよりもさらにシンプルで、イタリアンを食べるつもりで来ていたので、あまりのシンプルな料理の連発に少し戸惑ったのは事実です。しかし、どれもこれも素材をしっかり感じる拘りの料理でしたし、これこそが中川シェフが追及している料理なのだと理解しました。

 

あ、最後に一つだけ。ソムリエのマダムの雰囲気が柔らかく、楽しく食事することが出来たのも、良かったです。マダムの雰囲気もお店に良い効果を与えていると感じました。

 

それでは、また。次回の美味しいお店でお会いしましょう。     

 

【両忘】

アクセス:美術館通りとフェリー通り交差点すぐそば

営業時間:(ランチ)12時スタート(ディナー)17時~20時30分LO

定休日:水曜日+不定休

予約:電話

電話:087-873-2991

Webページ:両忘 | イタリア料理店両忘

予算:(ランチ)6,000円前後(ディナー)9,000~10,000円前後 ※お任せコースのみ。食材により変動。別途サービス料5%+消費税。

(その他)ゴ・エ・ミヨ2020:2トック(14.5/20)